他業種でも業務効率化の一環として進められているICT化ですが、介護業界では取り組みが一歩遅れてしまっています。利用者のデータや職員の勤務管理などICT化することで簡素化できる業務は多くあるのですが、金銭的な理由や操作が難しいという理由から導入を見合わせている施設が多いのが現状です。
介護職員の負担となっている業務の1つに、外部の施設関係者との情報共有のための申し送り書の作成があります。現在手書きで行っているその作業をタブレット端末を利用して、どこでも簡単に入力できるようにするだけで1日に数十分の効率化を測れるのです。
利用者に関する情報ですので、正確な情報を伝える必要がありますが、ICT機器であれば伝達間違いなども防ぐことが可能になります。
また、利用者だけでなく、介護職員のデータも端末に登録しておくことで役立つことがあります。介護職員の得意分野や経験年数などを活用すれば「この利用者がいるときにはこの人を配置させよう」など、効率的な業務体形を組めます。新たな資格を取得した際にも更新作業が容易にでき把握漏れを防ぐこともできます。
また、ICTにより職員同士のコミュニケーションを円滑にすることも可能になります。テレビ電話を利用することで、1つの会議室に集まって打ち合わせや会議を行う必要がなくなるので、どこにいても参加できるようになります。
仕事以外でも趣味の話などで気軽に会話するようになり、人間関係の改善にも役立つのです。人間関係が円滑な職場では、離職率が下がる傾向にあることから職員の定着という面においても役立つことは間違いないでしょう。